骨炭

基本情報

英名: Bone Charcoal

CAS No. 8021-99-6

JECFA No.: 該当なし別名: -

構造式: -

1.基原・製法

ウシ(Bos taurus Linnaeus)の骨を炭化し、粉砕して得られたものである。主成分は、リン酸カルシウム及び炭末である。

2.主な用途

製造用剤(無機塩類の吸着作用による糖液の脱色、水の濾剤等)

3.流通実態

1)消除対象対象外

2)流通実態

令和元年度における日添協等を対象とした生産量調査では、製造量及び出荷量は 1,279,150 kg であった(平成 29 年度実績)1)。令和 3 年度における調査では報告がない。

3)食品添加物公定書の規格規格あり

4.安全性試験の概要

1)急性毒性試験

急性毒性試験として経口投与の情報なし

2)反復投与毒性試験

反復投与毒性試験として経口投与の情報なし

3)遺伝毒性試験

細菌(TA98TA100TA1536TA1537WP2uvrA/pKM101)を用いた復帰変異試験は S9mix の有無に関係なく全て陰性であった。チャイニーズハムスター細胞

CHL)を用いた染色体異常試験は、S9mix の有無に関係なく全て陰性であった。

BDF1 系雄マウスを用いた経口強制投与による in vivo 小核試験は骨髄小核誘発性陰

性であった 2)

復帰突然変異試験、染色体異常試験及び小核試験の結果はすべて陰性であった。

4)その他

その他試験に関する情報なし

5)海外評価書における扱い海外での評価情報なし

5.検討結果のまとめ

骨炭は、反復投与毒性試験による評価はないが、ウシの骨を炭化し粉砕して得られたものであり、無機塩類の吸着作用による糖液の脱色、水の濾剤として使用される。したがって、使用用途から食品中への骨炭の残存は意図されておらず、食品中での残存量は極めて限られるものと考えられることから、一般毒性学的な懸念は低いと思われる。また、入手可能な安全性情報において遺伝毒性は陰性である。

以上より、本添加物の使用用途においては、ヒトの健康影響に対する懸念は低いと結論された。


6.参考資料

  1. 佐藤恭子:生産量統計調査を基にした食品添加物摂取量の推定に関わる研究その 2 既存添加物品目、令和元年度厚生労働科学研究費補助金(食品の安全確保推進研究事業)「食品添加物の安全性確保に資する研究」分担研究「食品添加物の摂取量推計及び香料規格に関する研究」、2020

  2. 9 版品添加物公定書解説書 2019


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