植物性ステロール
英名: Vegetable Sterol
CAS No. 混合物のため該当なし
JECFA No. 該当なし
別名: Phytosterols
構造式: -
基原・製法
油糧種子から得られた、フィトステロール類を主成分とするものである。本品には、遊離体高濃度品及び遊離体低濃度品がある。
主な用途
乳化剤
安全性試験の概要
ラット 経口 LD50 > 2,000 mg/kg 体重 1), 2)
Sprague-Dawley ラットに大豆由来のフィトステロールをオリーブ油の遊離脂肪酸でエステル化したものを 90 日間混餌投与したところ,最高用量 9g/kg 体重/日の雌雄で体重増加量の減少、雄で心筋症の頻度上昇がみられたため、NOAEL は 3 g /kg 体重/日と考えられた 3), 4)。
遊離体低濃度品、及び遊離体高濃度品として、Ames 試験、染色体異常試験及び in vivo
小核試験が実施されており、すべて陰性と報告されている 5)。
Ames 試験:陰性;5,000 g/plate
染色体異常試験:陰性;5,000 g/mL
小核試験:陰性;2,000 mg/kg 体重
毒性が懸念される報告はない。
JECFA では、植物性ステロールと植物性スタノール、ならびにそれらのエステル体の混合物のラットの 90 日間反復投与試験結果 NOAEL 4,200 mg/kg 体重/日からグループ ADI を 40 mg/kg 体重/日(遊離体の合計として)と設定した 3), 4)。
結論
本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。
参考資料
Appel, M.J. (1998a) Acute oral toxicity study (limit study) with WD-041T97 in rats. Zeist, Netherlands, TNO Nutrition and Food Research Institute (TNO Report V98.212)
Appel, M.J. (1998e) Acute oral toxicity study (limit study) with PU-029P97 in rats. Zeist, Netherlands, TNO Nutrition and Food Research Institute (TNO Report V98.217).
(参考資料1および2は、参考資料3に引用されている)
JECFA: Safety evaluation of certain food additives. WHO Food Additives Series 60 (2009)
JECFA: Evaluation of certain food additives. WHO Technical Report Series 952 (2009)
林ら:食品衛生学雑誌 46, 177-184 (2005)