単糖・アミノ酸複合物

英名: Amino acid-sugar reaction product CAS No. 該当なし

JECFA No. 該当なし

別名: 糖・アミノ酸複合物構造式: -

  1. 基原・製法

    アミノ酸と単糖類の混合液を、常圧下で加熱して得られたものである。

  2. 主な用途

    酸化防止剤

  3. 安全性試験の概要

    1. 急性毒性試験

      経口投与の情報なし

    2. 反復投与毒性試験

      反復投与に関する情報なし

    3. 変異原性試験

      変異原性に関する情報なし

    4. その他

      その他試験に関する情報なし

    5. 海外評価書における扱い

      単糖・アミノ酸複合物としての情報なし。アミノ酸については、JECFA において

      Flavoring agent としては no safety concern とされている 1)

  4. 食品添加物公定書の規格

    規格なし

  5. 結論

    単糖・アミノ酸複合物については、アスパラギンを含む場合にはメイラード反応によるアクリルアミド生成が懸念される。日本人のアクリルアミドのばく露量は 150170 ng/kg/day と報告されている 2。これに対して、本剤の年間輸入量である 55 kg3が全てアクリルアミドに変換したと仮定した場合、その摂取量は 30 ng/kg/day 程度と計算されることから最大 200 ng/kg/day を摂取すると想定される。ベンチマークドーズ(BMD)アプローチによるアクリルアミドの10%腫瘍性影響誘発率(BMDL10)は、マウスでは

    0.17mg/kg/day、ラットでは 0.30 mg/kg/day と報告されている 2。日本人の平均的なアクリルアミド摂取量に本剤が加わった最大の摂取量 200 ng/kg/day とマウスのBMDL10

    0.17 mg/kg/day との比較から、ばく露マージン(MOE)は 850 と計算される。非腫瘍性病変として十分なばく露マージンではないが 2、本剤の摂取により、現状の日本人におけるアクリルアミド摂取量と腫瘍性病変の MOE への影響は少ないと考えられる。基原、製法及び本質も考慮して、食品添加物としての現状の使用においては、ヒトの健康影響に対する懸念はないものと考察される。

  6. 参考資料

  1. Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives 63rd meeting. 2004.


  2. Risk Assessment Report: Contaminants, Acrylamide in Foods Generated through Heating, Summary,Food Safety Commission of Japan, doi:10.14252/foodsafetyfscj.2016013s

  3. 佐藤恭子,食品添加物の安全性確保のための研究:食品添加物の安全性確保のための研究、その他:生産量統計調査を基にした食品添加物摂取量の推定に関わる研究その 2、厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究、平成28(2016)年度