ラクトパーオキシダーゼ
英名： Lactoperoxidase CAS No. 9003-99-0
JECFA No. 該当なし別名： 該当なし
構造式： －
基原・製法
本品は、ほ乳類の乳から得られた、過酸化水素を還元分解する酵素である。食品（賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る）又は添加物（賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH調整又は力価調整の目的に限る）を含むことがある。
主な用途
酵素
安全性試験の概要
ラクトパーオキシダーゼ単独での公表データはないが、ラクトフェリンを 54.3%とラクトパーオキシダーゼを 40.6%含有する Milk Basic Protein（MBP®）のラットを用いた急性毒性試験が実施されていた 1, 2)。
ラット (Crj:CD(SD)IGS) 経口
MBP® LD50 > 2,000 mg/kg 体重
ラクトパーオキシダーゼ単独での公表データはないが、Crj:CD(SD)IGS ラット（雌雄各群 10 匹）を用いた MBP®（溶媒：蒸留水）の 0、200 および 2,000 mg/kg 体重/日の投与量で 90 日間反復経口投与毒性試験では、MBP®のラットにおける NOAEL は雌雄ともに 2,000 mg/kg 体重/日と考えられた 1, 3)。
変異原性に関する情報なし。
毒性が懸念される報告はない。
JECFA では Lactoperoxidase/Thiocyanate/Hydrogen peroxide system for milk preservation として評価され、ADI not specified とされている 4)。
FSANZでは Lactoperoxidase 及びSodium thiocyanateについて、規格1.3.3の加工助剤としている。現在の使用レベルでは大多数のヒトにとって重大なリスクとはならないが、乳タンパク質にアレルギーのある消費者にとっては、食肉製品中に存在することを認識する必要があり、その潜在的リスクは表示によって適切に対応されるとしている
5) 。
MBP®については、GRAS Notice (GRN) No. 196 において評価され、2006 年 9 月に
FDA より“No Questions”とされている。
結論
本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。
参考資料
Kruger, C.L., K.M. Marano, Y. Morita, Y. Takada, H. Kawakami, T. Kobayashi, M. Sunaga, M. Furukawa, K. and Kawamura. 2005. Safety evaluation of a milk basic protein fraction. Food and Chemical Toxicology.
Safety Research Institute for Chemical Compounds Co., Ltd. (2000a. A single dose oral toxicity study of milk basic protein (MBP) in rats. Study Number SR-99 100. Safety Research Institute for Chemical Compounds Co., Ltd. 363-24 Shin-ei, Kiyota-ku, Sapporo 004- 0839, Japan. Unpublished.
Safety Research Institute for Chemical Compounds Co., Ltd. 2000c. A 13-week oral repeated dose toxicity study of milk basic protein (MBP) in rats. Study Number SR- 9918. Safety Research Institute for Chemical Compounds Co., Ltd. 363-24 Shin-ei, Kiyota-ku, Sapporo 004-0839, Japan. Unpublished.
JECFA: WHO Technical Report Series 789 (1989)
Food Standard Australia New Zealand (FSANZ): Final Assessment report
Application A404; Lactoreroxidase system (2002)