ユッカフォーム抽出物
1.食品添加物名
ユッカフォーム抽出物(ユッカアラボレセンス又はユッカシジゲラの全草から得られた、サポニンを主成分とするものをいう。)
2.基原、製法、本質
ユリ科ユッカ・アラボレセンス(
Yucca arborescens
TREL.)又はユリ科ユッカ・シジゲラ(
Yucca schidigera
ROEZL ex Orlgies)
の全草より、熱時水で、又は室温時~微温時含水エタノール又は含水イソプロピルアルコールで抽出して得られたものである。主成分はサポニン(サルササポニン等
)である。
3.主な用途
乳化剤、製造用剤
4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
F344 ラットに検体 0.1、0.3、1、3%の濃度で飼料に混入し、90 日間反復投与試験を行った。その結果、動物の死亡は認められず、一般状態、体重及び摂餌量に変化は認められなかった。
血液学的検査、血液生化学的検査及び臓器重量では、対照群に比べ種々の項目で有意差が認められたが、極軽微な変化であり、生物学的に正常値の範囲にあり、用量相関性も認められなかったことから毒性学的意義に乏しい変化と考えられた。病理組織学的検査では、毒性学的に記すべき変化は認められなかった。
3)
(2)遺伝毒性試験
細菌(TA98、TA100、TA1535、TA1537、WP2urA)
を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞(CHL/LU)
を用いた染色体異常試験、マウスの骨髄を用いた小核試験が行われており、いずれも方法及び結果等問題となるような点は認められなかった。1)
更に、ラットに2000mg/kgのユッカフォーム抽出物を強制経口投与したin vivo/in
vitro不定期DNA合成試験が行われており、陰性の結果が報告されている。従って、遺伝毒性はないものと考える。2)
(引用文献)
1. 林真:厚生省等による食品添加物の変異原性評価データシート(昭和54年~平成10
年度分)
2. 望月信彦:平成12
年度食品添加物規格基準等の試験検査、財団法人食品農医薬品安全性評価センター
3. 西村隆宏:平成9
年度食品添加物再評価等の試験検査、広島大学