モモ樹脂
食品添加物名
モモ樹脂(モモの分泌液から得られた、多糖類を主成分とするものをいう。)
基原、製法、本質.
バラ科モモ(Prunus匡固坦BATSCH)の幹枝の樹脂成分を、分離して得られたものである。主成分は多糖類である。
主な用途
増粘安定剤
安全性試験成績の概要
9 0日間反復投与試験
F344系ラットに、混餌(0.5%、1.5%、5.0%)投与による90日間反復投与試験を行った。その結果、いずれの群の動物においても死亡は認められず、一般状態、体重、摂餌最、摂水量、眼科的検査、尿検盃及び血液学的検杏においても被験物質に起囚すると考えられる毒性学的に意義のある変化は認められなかった。.
血液生化学的検査では、5%群の雄でBUNの高値が認められたが、病理組織
学的検査において異常が認められなかったこと等を踏まえると、粛性学的意義の乏しい変化と考えられた。
器官重批では、5.0%群の雄で精巣の相対重歎の高値が認められたが、病理組織学的検裔において異常が認められなかったことから、嵩性学的意義の乏しい変化と考えた。
病理糾織学的検査では、その他の器官・糾織においても被験物質投与による明らかな影幣は認められなかった。
以上から、無縣性歎は雌雄で5.0%(雄:2920 mg/kgi日・、雌:3465 mg/kg/日)と判断された。1)
遣伝毒性試験
細菌(TA98、TAIOO、TAl535、TA1537、WP2uvrA)を用いた復帰突然変異試験は、5000 µ g/プレートまで試験されており、S9 mixの有無にかかわらず、陰性であった。2)
哺乳類培養細胞(CHL/IU)を用いて、最高処理濃度5000 µ g/mlまで染色体異常試験を行った結果、いずれの処理条件下においても染色体異常の誘発は認められなかった。3). •
マウス(BD凡系、雄)の骨髄を用いた小核試験は、限界用最である2000mg/kg X2まで試験されており、小核の出現頻度はいずれの用量においても陰性対照群と比較して有意な増加が認められなかったことから陰性と判断した。4)
以上の結果から、生体にとって遺伝毒l生は示さないものと結諭された。
(引用文献)
玉野静光:平成1 9年度既存添加物の安全性に関する研究(モモ樹脂9 0日反復投与毒性試験)、(株) D恥IS医科学研究所
山内久実:平成1 9年度既存添加物の安全性に関する研究(モモ樹脂の細菌を用いる復帰突然変異試験)、 (株)ボゾリサーチセンター
園明:平成1 9年度既存添加物の安全性に関する研究(モモ樹脂のほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験)、(株)ボゾリサーチセンター
望月信彦:平成1 9年度食品・添加物等規格基準に関する試験検査等について
(マウスを用いるモモ樹脂の小核試験)、(財)食品農医薬品安全性評価センター、