ホスホジエステラーゼ

英名: Phosphodiesterase CAS No. 9025-82-5

JECFA No. 該当なし別名: 該当なし

構造式: -


  1. 基原・製法

    糸状菌(Aspergillus nigerLeptographium procerum 及び Penicillium citrinum に限る。)又は放線菌(Streptomyces aureusStreptomyces avermitilisStreptomyces cinnamoneusStreptomyces griseusStreptomyces thermoviolaceus 及びStreptomyces violaceoruber に限る)の培養物から得られた、核酸等のリン酸ジエステル結合を加水分解する酵素である。食品(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る)又は添加物(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH 調整又は力価調整の目的に限る)を含むことがある。


  2. 主な用途

    酵素


  3. 安全性試験の概要

    1. 急性毒性試験

      経口投与の情報なし。


    2. 反復投与毒性試験

      Wistar ラット(雌雄各群 10 匹)に対し Leptographium procerum 由来のホスホジエステラーゼを、純水を溶媒として 0100300 および 1,000 mg TOS/kg 体重の用量で 90日間強制経口投与した 1)。その結果、いずれの投与群においても被験物質に起因する毒性影響は認められず、NOAEL は最高用量の 1,000 mg TOS/kg 体重/(10,428 mg enzyme preparation/kg 体重/)と考えられた。


    3. 変異原性試験

      Ames 試験及び培養細胞を用いた染色体異常試験が実施されており、すべて陰性と報告されている 1)


      Ames 試験: 陰性;TA100TA1535E.coli WP2uvrATA98TA1537 5,000 g/plate (代謝活性化および非代謝活性化)

      染色体異常試験: 陰性;Human lymphocytes 5,000 g/mL (代謝活性化および非代謝活性化)


    4. その他情報なし


    5. 海外評価書における扱い

      米国FDA2014)は Leptographium procerum 由来のホスホジエステラーゼ I について、generally recognized as safeGRAS)と判断している 1)


  4. 結論

    本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。


  5. 参考資料

    1. FDA: GRAS Notice GRN 505: GRAS notification for phosphodiesterase I produced with a strain of Leptographium procerum. https://www.accessdata.fda.gov/scripts/fdcc/?set=GRASNotices&id=505&sort=GR N_No&order=DESC&startrow=1&type=basic&search=505