へマトコッカス藻色素


1.食品添加物名
 へマトコッカス藻色素 (Haematococcus algae colour)

2.基原・製法・本質
 コナヒゲムシ科へマトコッカス (Haematococcus C.A.AGARCH)の全藻を、乾燥後、粉砕したもの、又はこれを、二酸化炭素で抽出したもの、若しくは室温時含水エタノール、エタノール、アセトン、ヘキサン若しくはこれらを2種以上混合したもので抽出し、溶媒を除去したものである。主色素はアスタキサンチンの脂肪酸エステルである。澄色~赤色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(ヘマトコッカス藻色素原体を用い、製剤(95%大豆油)として0.5、1.5、5.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない1)。無毒性量は最高用量である5.0%(原体として雄は153.2mg/kg/day、雌は165.2mg/kg/day)であると考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験2)、培養細胞を用いた染色体異常試験3)、マウスを用いた小核試験4)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)

  1. 井上達ほか:厚生省平成7年度食品添加物安全性評価等の試験,ヘマトコッカス藻色素の90日間反復投与毒性試験,国立医薬品食品衛生研究所
  2. 宮部正樹:厚生省平成7年度食品添加物安全性再評価等の試験,変異原性試験(Ames法),名古屋市衛生研究所
  3. 鳥羽和憲:厚生省平成7年度食品添加物安全性再評価等の試験,変異原性試験(Chromosome法),横浜市衛生研究所
  4. 岸美智子:厚生省平成7年度食品添加物安全性再評価等の試験,変異原性試験(小核試験),神奈川県衛生試験所