デキストラナーゼ
1.食品添加物名
デキストラナーゼ (Dextranase)
2.基原・製法・本質
糸状菌 (Chaetomium erraticum, Chaetomium
gracile, Penicillium
lilacinum)の培養液より、冷時~室温時水若しくは酸性水溶液で抽出して得られたもの、除菌後、冷時~室温時濃縮したもの、又は冷時エタノールで処理して得られたものである。
3.用途
酵素
4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
1,500,000unit/gの原末を用いた急性経口LD50はマウスで8,260~8,610mg/kg、ラットで4,000mg/kg超である1)。
2,290,000unit/gの原末を用いた急性経口LD50はラットで2,000mg/kg超である2),3) 。
63,000unit/mlの原液を用いた急性経口LD50はマウス及びラットで 20ml/kg 超である2),4) 。
(2)反復投与試験
Wistar-Imamichiラットを用いた強制経口(0.5、5.0、50、500、1,000mg/kg、1,500,000unit/g)投与による
26週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は1,000mg/kg超である5)。
SDラットを用いた強制経口(500、1,000、2,000mg/kg、2,290,000unit/g)投与による90
日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は2,000mg/kg/dayと考えられる2),6) 。
(3)催奇形性試験
(胎児の器官形成期投与試験)
Wistar-Imamichi
ラットを用いた強制経口(80、800、2,000mg/kg、1,500,000unit/g)投与による胎児の器官形成期投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は2,000mg/kg/dayと考えられる10)。
(4)変異原性試験
細菌を用いたDNA修復試験、細菌を用いた復帰変異試験、細菌を用いたマウスにおける宿主経由試験の結果は、いずれも陰性と判断される7)。Chaetomium
erraticum由来酵素(2,290,000unit/g)8)及びのChaetomium
erraticum由来酵素(液状)9)の細菌を用いた復帰変異試験の結果は、いずれも陰性と判断される。
(引用文献)
1.デキストラナーゼのマウス、ラットに対する急性毒性試験,
社内データ (未公表)
2.デキストラナーゼ試験方法
3.Chaetomium erraticum産生デキストラナーゼの安全性試験 (1) ラットを用いた単回投与毒性試験, 1990. 10,
社内データ (未公表)
4.デキストラナーゼL原液の急性毒性試験,-マウスおよびラットにおける経口急性毒性試験, 昭和61. 2, 社内データ (未公表)
5.デキストラナーゼのラットに対する毒性,
経口投与による5週間連続投与ならびに26週間連続投与, 社内データ (未公表)
6.Chaetomium erraticum産生デキストラナーゼの安全性試験 (4),
デキストラナーゼ原末のラットを用いた90日経口投与毒性試験, 1992. 5, 社内データ (未公表)
7.Dextranaseの細菌に於ける突然変異誘起性試験, 社内データ
(未公表)
8.Chaetomium erraticum産生デキストラナーゼの安全性試験 (2) 微生物を用いる変異原性試験, 1990. 12, 社内データ (未公表)
9.Chaetomium
erraticum産生デキストラナーゼLの安全性試験, 微生物を用いた変異原性試験, 昭和61. 7, 社内データ (未公表)
10.Dextranaseの生殖試験, ラットに対する胎児の器官形成期投与試験,
社内データ (未公表)