チャ乾留物


1.食品添加物名
 チャ乾留物 (Tea dry distillate)

2.基原・製法・本質
 ツバキ科チャ(Camellia sinensis O.KZE.)の葉より製した茶を、乾留して得られたものである。有効成分は特定できないが、アミノ酸、カフェイン、タンニン、カテキン類を含む。

3.主な用途
 製造用剤

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50はラットで32g/kg超と考えられる l)

(2)反復投与試験
 Wistar ラットを用いた強制経口(2.5、5.0、10.0g/kg)投与による35 日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は10g/kgと考えられる2)
 Wistarラットを用いた飲料水(1.25、2.5、5%)の自由摂取投与による52週間の反復投与試験において、5%投与群で白血球数の増加が認められている。無毒性量は 2.5%(雄1.3~4.3g/kg、雌2.0~4.9g/kg)と考えられる。3)

(3)生殖発生毒性試験
 SD ラットを用いた強制経口(植物成分 20%の液剤として、2.5、5、10ml/kg)投与による妊娠前及び妊娠初期投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は10ml/kg/dayと考えられる5)
 SD ラットを用いた強制経口(植物成分 20%の液剤として、2.5、5、10ml/kg)投与による周産期及び授乳期投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない。無毒性量は10ml/kg/dayと考えられる6)
 SD ラットを用いた強制経口(植物成分 20%の液剤として、2.5、5、10ml/kg)投与による胎児の器官形成期投与試験において、10ml/kg 投与群に母動物の有意な摂館量の減少及びF1次世代動物に有意な受胎率の低下が認められている。無毒性量は5ml/kg/dayと考えられる7)

(4)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験の結果は、陰性と判断される4)

(引用文献)
1.FS-500M (フレッシュシライマツ)の急性毒性試験-ラット経口投与による検討-, 基礎と臨床, 17(4), 29-31, 1983
2.FS-500Mのラットにおける亜急性毒性試験-35日間連続経口投与-, 1982, 社内データ (未公表)
3.フレッシュシライマツのラットにおける慢性毒性試験-1年間(52 週間)連続経口投与-, 1987, 社内データ (未公表)
4.FS-500M (フレッシュシライマツ)の微生物による変異原性試験, 1980, 社内データ(未公表)
5.フレッシュシライマツの生殖試験-ラットにおける妊娠前及び妊娠初期投与試験-, 1986 社内データ (未公表)
6.フレッシュシライマツの生殖試験-ラットにおける周産期及び授乳期投与試験-, 1986, 社内データ (未公表)
7.フレッシュシライマツの生殖試験-ラットにおける胎児の器官形成期投与試験-, 1986, 社内データ (未公表)