タマリンドシードガム
1.食品添加物名
タマリンドシードガム(Tamarind seed gum)
2.基原・製法・本質
マメ科タマリンド(Tamarindus indica
LINNE)の種子の胚乳部分より、温時~熱時水若しくはアルカリ性水溶液で抽出して得られたもの又はこれを酵素(β-ガラクトシダーゼ)処理したものである。主成分は多糠類である。
3.主な用途
増粘安定剤
4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
急性経口LD50はラットで5.0g/kg超、マウスで2.0g/kg超と考えられる1),2)。
(2)反復投与/発がん性試験
B6C3F1マウスを用いた混餌(1.25、5.0%)投与による78週間の反復投与試験において、5.0%投与群で体重増加抑制及び肝重量の増加が認められているが、検体投与に起因する病理学的変化はみられていない。発がん性は認められていない。無毒性量は1.9g/kg/day都考えられる3)。
SDラットを用いた混餌(4、8、12%)投与による24ヶ月間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。発がん性は認められていない。無毒性量は6g/kg/dayと考えられる4)。
(3)変異原性試験
細菌を用いた復帰変異試験5)、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験6)及び細菌を用いたDNA修復試験7)の結果は、いずれも陰性と判断される。
(引用文献)
1.蜂谷紀之ら:
天然添加物の急性及び各種変異原性試験成績の概要 (昭和56~58年), トキシコロジーフォーラム, 8(1), 91-105, 1985
2.滝澤行雄: 平成5年度食品添加物安全性再評価等の試験,
天然添加物の急性毒性に関する研究, 平成6年
3.M. Sano et al.: Lack of Carcinogenicity of Tamarind Seed Polysaccharide in B6C3F1
Mice, Food and Chemical Toxicology, 34, 463-467, 1996
4.タマリンド種子多糖類のラットにおける2年間長期毒性試験, J. Toxic. Sci., 3,
163-192, 1978
5.宮部正樹: 平成5年度食品添加物安全性評価試験, 変異原性 (第1次) Ames法
6.石館基ら: 食品添加物の変異原性試験成績 (その6) 昭和59年度厚生省試験研究による,
トキシコロジーフォーラム, 8(6), 705-708, 1985
7.栗田年代: 平成5年度食品添加物安全性再評価等の試験検査, 変異原性試験・第1次試験; Rec-assay法