英名： Cristobalite CAS No. 14464-46-1

JECFA No. 該当なし別名： 該当なし

構造式： －

1. 基原・製法

   鉱床より採掘したクリストバル石を、粉砕乾燥、800～1200℃で焼成、又は塩酸処理して焼成したものである。

   
   

2. 主な用途

   製造用剤

   
   

3. 安全性試験の概要

   1. 急性毒性試験

      ラット 経口 LD50 = 3.16 mg/kg 体重 1)

      マウス 経口 LD5 > 5,000 mg/kg 体重 2)

      
      

   2. 反復投与毒性試験

      Wistar ラット（雌雄各群 20 匹）に非結晶シリカ（>98.3% SiO2）を含むペレット飼料でシリカ含量 100 mg/kg 体重/日を毎日 2 年間経口投与したところ，被験物質に起因する毒性影響はみられなかった 3)。

      
      

   3. 変異原性試験

      シリカとして、Ames 試験、培養細胞を用いた染色体異常試験及び小核試験が実施されており、すべて陰性と報告されている。また、石英は遺伝毒性有りとの報告があるが、不確定である 4) 。

      
      

      Ames 試験： 詳細な記載なし 4)

      染色体異常試験：陰性； 1,600 g/mL 4)

      小核試験：陰性；500 mg/kg 体重、腹腔内投与 4)

   4. その他

      IARC では、石英またはクルストバル石として結晶質シリカが職業ばく露により吸入された場合はヒトに発がん性を示す（Group 1）、非結晶質シリカの場合はヒトに発がん性を示すとしては分類できないと（Group 3）としている 5)。

      
      

   5. 海外評価書における扱い

      JECFA では、二酸化ケイ素及びケイ酸カルシウムを含むある種のケイ酸塩として評価しており、ADI を特定しない（not specified）としている（JEFCA 1985 年 第 29 回会議 WHO Food Additives Series 20）6)。

      
      

4. 結論

   本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。

   
   

5. 参考資料

   1. Elsea, J. R. (1958a) Unpublished report, January 8, from Hazleton Laboratories, Inc.

      
      

   2. Kimmerle (1968) Unpublished report submitted by Bayer

      （参考資料 1 および 2 は、参考資料 3 に引用されている）

      
      

   3. JECFA: Toxicological evaluation of some food additives including anticaking agents, antimicrobials, antioxidants, emulsifiers, and thickening agents. WHO Food Additives Series No.5 (1974)

   4. JECFA, Concise International Chemical Assessment Document 24 (2000). CRYSTALLINE SILICA, QUARTZ.

   5. JECFA: International Agency for Research on Cancer (IARC) - Summaries & Evaluations. SILICA Crystalline silica - inhaled in the form of quartz or cristobalite from occupational sources (Group 1) Amorphous silica (Group 3) (1997)

   6. JECFA: Toxicological evaluation of certain food additives and contaminants. WHO Food Additives Series 20 (1985)