クチナシ黄色素


1.食品添加物名
 クチナシ黄色素(Gardenia yellow)

2.基原・製法・本質
 アカネ科クチナシ(Gardenia augusta MERRILL var. grandi flora HORT., Gardenia jasminodes ELLIS)の果実より、室温時水若しくは含水エタノールで抽出して得られたもの、又はこれを加水分解して得られたものである。主色素はクロシン及びクロセチンである。黄色を呈する。

3.主な用途
着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50はラットで5,000mg/kg超と考えられる1)

(2)反復投与/発がん性試験
 C57BLマウスを用いた飲水(0.05、0.1、0.2、0.4、0.8、1.6%)投与による12週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は、1.6g/kg/dayと考えられる2)
 C57BLマウスを用いた飲水(0.2、0.8%)投与による 95週間の発がん性試験において、検体投与に起因する毒性学的影響及び発がん性は認められていない。無毒性量は0.8g/kg/dayと考えられる2)

(3)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験3)の結果は、陰性と判断される。

(引用文献)
1.清水ら: 化学的合成品以外の食品添加物のマウスおよびラットにおける急性経口毒性について, 生活衛生, 37, 215-220, 1993
2.Nariaki Fujimoto et.al: Chronic toxicity Study of Gardenia Yellow color in C57BL mice, J. Toxicol. Pathol. 7, 455-460, 1994
3.天然黄色色素 (クチナシ黄色素) の安全性について, 昭和56年, 社内データ (未公表)