クチナシ赤色素
1.食品添加物名
クチナシ赤色素(Gardenia red)
2.基原・製法・本質
アカネ科クチナシ(Gardenia augusta MERRILL var.
grandi flora
HORT)の果実より微温時水で抽出して得られたイリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンパク質分解物の混合物に、β-グルコシダーゼを添加した後、分離して得られたものである。赤色を呈する。
3.主な用途
着色料
4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
急性経口LD50はマウスで5,000mg/kg超と考えられる1),2)。
(2)反復投与試験
B6C3F1マウスを用いた混餌(0.5%、1.5%、4.5%)投与による 21
週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は5.3g/kg/dayと考えられる2)。
(3)変異原性試験
細菌を用いた復帰変異試験、DNA修復試験の結果は、いずれも陰性と判断される2)。
培養細胞を用いた染色体異常試験では、極めて高用量(D20値
15.33mg/ml)で、陽性の結果が得られている3)。マウスを用いた小核試験では、5g/kg
という高用量まで試験が行われたが、結果は陰性と判断される4)。
(引用文献)
1.野田勉ら: 天然食品添加物の経口投与による急性毒性試験, 生活衛生, 32(3), 110-115,
1988
2.吉積智司ら: クチナシ酵素処理天然色素の理化学的性質とその安全性について, 食品工業 23(22), 41, 1980
3.石館基ら: 食品添加物の変異原性試験成績
(その6)-昭和59年度厚生省試験研究による-, トキシコロジーフォーラム, 8(6), 705-708, 1985
4.蜂谷紀之ら: 天然添加物についての小核試験, 変異原性試験, 1(1), 13-17, 1992