カルボキシペプチダーゼ
英名: Carboxypeptidase
CAS No. 9046-67-7(EC 3.4.16.1 Aspergillus 由来)
JECFA No. 該当なし別名: 該当なし
構造式: -
基原・製法
コムギ(Triticum aestivum L.)の種皮及び果皮(ふすま)又は糸状菌(Aspergillus 属に限る)、酵母(Pseudozyma hubeinsis 及び Saccharomyces cerevisiae に限る)及び放線菌( Streptomytces avermitilis 、Streptomytces cinnamoneus 、Streptomytces griseus、Streptomytces themoviolaceus 及び Streptomytces violaceoruber に限る)の培養物から得られた、たん白質及びペプチドをカルボキシ末端から分解する酵素である。食品(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存又は力価調整の目的に限る)又は添加物(賦形、粉末化、希釈、安定化、保存、pH 調整又は力価調整の目的に限る)を含むことがある。
主な用途
酵素
安全性試験の概要
経口投与の情報なし
Wistar ラット(雌雄各群 10 匹)にカルボキシペプチダーゼを 90 日間強制経口投与したところ、被験物質に起因する毒性影響はみられず、NOAEL は最高用量の 11,000 mg/kg体重/日(1,056 mg TOS/kg 体重/日、48,851 CPGU/kg 体重/日)と考えられた 1)。
Ames 試験、培養細胞を用いた染色体異常試験及び骨髄小核試験が実施されており、すべて陰性と報告されている 1) 。
Ames 試験:陰性; TA100、TA1535、E.coli WP2uvrA、TA98、TA1537 5,000 g/plate
(代謝活性化および非代謝活性化) 1)
染色体異常試験:陰性; Human lymphocytes 5,000 g /mL (代謝活性化および非代謝活性化) 1)
骨髄小核試験:陰性; NMRI BR マウス 2,000 mg/kg 体重、経口投与 1)
食品安全委員会では遺伝子組換え食品等専門調査会において、カルボキシペプチダーゼ高生産株である遺伝子改変 Aspergillus niger PEG 株を利用して生産されたカルボキシペプチダーゼについて検討し、「組換え DNA 技術によって最終的に宿主に導入された DNA が、当該微生物と分類学上の同一の種に属する微生物の DNA のみである場合」に該当する微生物を利用して製造されたものであることから、遺伝子組換え微生物を利用して製造された添加物としての安全性評価は必要ないと判断した 2)。
FDA では generally recognized as safe (GRAS)と評価している 1)。
結論
本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。
参考資料
FDA: GRAS Notice GRN 345, Carboxypeptidase enzyme preparation from modified
Aspergillus niger (2010).
食品安全委員会:遺伝子組換え食品等評価書「PEG 株を利用して生産されたカルボ
キシペプチダーゼ」 (2016)