オレンジ色素
1.食品添加物名
オレンジ色素 (Orange colour)
2.基原・製法・本質
ミカン科アマダイダイ(Citrus sinensis
OSBECK)の果実又は果皮より、搾汁したもの、又は熱時エタノール、ヘキサン若しくはアセトンで抽出し、溶媒を除去して得られたものである。主色素はβ-クリプトキサンチンの脂肪酸エステルである。黄色を呈する。
3.主な用途
着色料
4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
F344ラットを用いた混餌(0.18、0.55、1.66、5.0%)投与による13週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない1)。無毒性量は、最高用量である5.0%(2.5g/kg/day)であると考えられる。
(2)変異原性試験
細菌を用いた復帰変異試験はS9mixの有無にかかわらず、陰性である2)。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験では、S9mix存在下において、細胞毒性が認められる用量または限界用量まで異常の誘発は認められない。S9mix非存在下、2.5mg/mL短時間処理群においてのみ構造異常が14%の細胞に観察されたが、この陽性反応はin
vitro小核試験において再現されなかった3)。マウスを用いる小核試験(2
g/kg,24時間間隔で2回経口投与)では、小核を有する多染性赤血球の頻度に有意な増加は認められなかった4)。従って、in
vitro染色体異常試験で見られた陽性反応は、S9mix存在下で陰性となること、in vitro小核試験で再現されなかったこと、限界用量まで行われたin
vivo小核試験で陰性であったことを考え合わせると、生体にとって問題となるような変異原性はないものと考えられる。
(引用文献)