アスペルギルステレウス糖たん白質
1.食品添加物
アスペルギルステレウス糖たん白質 (Aspergillus terreus glycoprotein)
2.基源・製法・本質
糸状菌(Aspergillus
terreus)によるブドウ糖、澱粉及び大豆ミールの発酵培養液を除菌し、硫酸アンモニウムにより分画した後、脱塩して得られたものである。主成分は糖タンパク質である。
3.主な用途
製造用剤
4.安全性試験成績の概要
(1) 単回投与試験
急性経口LD50はラットで6,000mg/kg超、マウスで7,500mg/kg超である1),2)。
(2) 反復投与試験
SDラットを用いた強制経口(300、600、1,200、2,400mg/kg)投与による3ケ月間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない。無毒性量は2,400mg/kg/dayと考えられる3)。
(3) 変異原性試験
細菌を用いた復帰変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験の結果は、いずれも陰性と判断される4),5) 。
(4) 眼粘膜刺激性試験
日本白色ウサギを用いて眼の角膜、結膜及び虹彩に対する一次刺激性を3.0%水溶液で調べた試験の結果は、陰性と認められている6)。
(引用文献)
1. 今井 清ほか:
MST(ムタステイン)の経口投与によるラットにおける急性毒性試験, 基礎と臨床, 20(12), 131, Sep. 1986
2. 今井 清ほか: MST(ムタステイン)の経口投与によるマウスにおける急性毒性試験,
基礎と臨床, 20(12), 133, Sep. 1986
3. 山口一喜ほか: MST(ムタステイン)のラットにおける経口3ケ月間投与毒性試験, 基礎と臨床, 20(12), 135, Sep. 1986
4.
田中憲穂ほか: MST(ムタステイン)のチャイニーズハムスター培養細胞による染色体試験, 基礎と臨床, 20(12), 127, Sep. 1986
5. 岩原繁雄ほか:
MST(ムタステイン)の細菌による変異原性試験報告, 基礎と臨床, 20(12), 123, Sep. 1986
6. 原康夫ほか: ムタステインの眼粘膜刺激性試験, 基礎と臨床, 23(2), 71, Jan.
1989