L-アラビノース

英名: L-Arabinose CAS No. 5328-37-0 JECFA No. なし

化学式:C5H10O5

分子量:150.13構造式:

β-L-アラビノース:R1=HR2=OH α-L-アラビノース:R1=OHR2=H



  1. 基原・製法

    アラビアガム、ガディガム、コーンファイバー又はテンサイのパルプ(シュガービートパルプ)の多糖類(アラビナン等)を、加水分解し、分離して得られたものである。成分は L-アラビノースである 1)

  2. 主な用途

    甘味料

  3. 安全性試験の概要

    1. 急性毒性試験

      経口投与の情報なし

    2. 反復投与毒性試験

      Crl:WI(Ham)ラット(雌雄各群 10 匹)に、テンサイ由来の L-アラビノースを 3,00010,000 及び 30,000ppm の用量で 90 日間混餌投与した。その結果、特記すべき毒性徴候は認められず、NOAEL は最高用量の 30,000ppm(雄で 2,218 mg/kg 体重/日、雌で 2,614 mg/kg 体重/日)と結論された 2)

    3. 変異原性試験

      復帰突然変異試験、染色体異常試験、及び in vivo 小核試験の結果はすべて陰性である 3),4)

    4. その他

      その他試験に関する情報なし

    5. 海外評価書における扱い

      米国においてテンサイ由来の L-アラビノースについては、製造者から GRAS 申請されたが 2)FDA との議論において L-アラビノースの使用実態における摂取量が明らかでないこと、未発表の安全性試験情報があること、製造工程で使用する酵素の情報がないことから評価を中止されている 5)

  4. 食品添加物公定書の規格

    規格あり

  5. 結論

    L-アラビノースは、その基原、製法及び本質と、入手可能な安全性試験の情報(変異原性試験)に鑑みて、人の健康影響に対する懸念はないものと結論された。

  6. 参考資料

  1. 9 版食品添加物公定書 2018

  2. GRAS Notice (GRN) No. 782, 2018: p130-379, 90-day oral toxicity study with betawell l-arabinose by dietary administration in the rat, https://www.fda.gov/media/131846/download

  3. 林ら、既存添加物 43 品目の遺伝毒性試験 食品衛生学雑誌 2005; 46: 177-184.

  4. 9 版食品添加物公定書解説書 2019

  5. Re: GRAS Notice No. GRN 000782, https://www.fda.gov/media/116027/download