D-リボース

英名: D-Ribose CAS No. 50-69-1

JECFA No. 該当なし別名: 該当なし

構造式: -


  1. 基原・製法

    細菌(Bacillus pumilus又はBacillus subtilisに限る)によるD-グルコースの発酵培養液から分離して得られたものである。成分は、D-リボースである。


  2. 主な用途

    甘味料


  3. 安全性試験の概要

    1. 急性毒性試験情報なし


    2. 反復投与毒性試験

      Wistar ラット(雌雄各群 20 匹)に申請者から供与された D-リボースを 0510 または 20%(雄;03.67.6 または 15.0 g /kg 体重/日及び雌;04.48.5 または 15.7 g/kg体重/日相当)の用量で大麦の代わりにゲラチン処理をしたジャガイモスターチに混合して 13 週間混餌投与した。20% (15.0 g /kg) 群の雄および 1020% (8.515.7 g/kg) 群の雌で体重増加抑制、雌雄で用量相関を伴う盲腸重量の増加などがみられたが、何れも、炭水化物摂取の増加に起因する生理的な変化と考えられた。投与に関連した明らかな変化は見られないことから、NOAEL は最高用量の 20(15 g/kg 体重/)とされた 1)


    3. 変異原性試験

      Ames 試験、染色体異常試験及び in vivo 小核試験が実施されており、すべて陰性と報告されている 2)


      Ames 試験:陰性;5,000 g/plate

      染色体異常試験:陰性;5,000 g/mL

      小核試験:陰性;2,000 mg/kg 体重


    4. その他

      12 週齢の Wistar ラットを交配させ、雌(各群 28 匹)には妊娠 0 日から 21 日まで申請者から供与された D-リボースを 0510 または 20%04.257.94 または 9.91 g

      /kg 体重/日相当)の用量で大麦の代わりにゲラチン処理をしたジャガイモスターチに混合して 13 週間混餌投与した。投与群で盲腸重量の増加が見られたが、炭水化物摂取の増加に起因する生理的な変化と考えられた。胎児及び胎盤には投与に関連した明らかな変化は見られないが、波状肋骨の頻度は 1020% (7.94 または 9.91 g /kg) 群で高いことから、催奇形性の NOAEL は最高用量の 20% (9.91 g/kg 体重/)、発生毒性の NOAEL 5% (3.64-4.61 g/kg 体重/)とされた 1)


      21 名の非糖尿病の健康成人(男性 12 名、女性 7 名)に 10 g D-リボースを 1 2

      14 日間投与した。試験期間中、毎日の食事と運動は変化させなかった。最初と 7 日目 14日眼に血液を採取し血液生化学的検査をおこなった。一部の変動は見られたが、一貫性のある投与に関連した明らかな変動は見られなかった。


    5. 海外評価書における扱い

      FDA では、2007 年に評価しており、現在の GMP に従って飲料などに用いる場合は

      generally recognized as safeGRAS)としている 1)


  4. 結論

    本既存添加物は、日本国内で流通しているものについては、安全性に懸念はないと考えられる。


  5. 参考資料

    1. FDA: GRAS Notice GRN 243 (2007): GRAS notification for D-ribose


    2. 林、田中:食品衛生学雑誌 46, 5, 177-184 (2005)