5'-
アデニル酸
1.食品添加物名
5'-アデニル酸
2.基原、製法、・本質
酵母(
Candida utilis
)の菌体より、熱時水で抽出した核酸を酵素で加水分解した後、分離して得られたものである。成分は5'-
アデニル酸である。
3.主な用途
強化剤
4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与毒性試験
F344系ラットに5'-アデニル酸を0、0.6、1.26、2.5、5%含有する飼料を12
週間にわたり経口投与した。雌の 5%
群で、有意な体重増加抑制と腎臓重量増加が認められたが、ごく軽度の変化であり、また、病理組織学的検査、血算及び血清生化学的検査でも変化が認めなかったことから、毒性変化とは考察しなかった。
5%以下の経口投与において、5'-アデニル酸はF344系ラットに何ら毒性を示さないものと考えられた。1
)
(2)遺伝毒性試験
細菌(TA100、TA1535、TA98、TA1537、WP2urA/pKM101)
を用いた復帰突然変異原性試験はS9mixの有無にかかわらず、陰性であった(
最高用量5000
m
g/plate)。2)
哺乳類培養細胞(CHL)を用いた染色体異常試験は、156~1250
m
g/ml、-S9mix、
24時間処理で染色体構造異常の誘発が認められたことから、陽性であった。3)
マウス(ICR、SPF、雄各用量5匹)に強制経口投与(500、1000、2000 mg/kg×2
、0.5%CMC に懸濁)
して、骨髄における小核試験を行った。いずれの用量においても小核を有する多染性赤血球の頻度等に有意な増加は認められず、陰性であった。4
)
(引用文献)
1. 東府蓑之:平成12
年度食品添加物安全性再評価等の試験検査、広島大学
2. 松島泰次郎:平成11
年度食品添加物規格基準作成等の試験検査、日本バイオアッセイ研究所
3及び4. 岩本毅:
平成11年度食品添加物規格基準作成等の試験検査、財団法人残留農薬研究所